1年の半分は無彩色、赤い車は…
18年半おつきあいした愛車とサヨウナラした、つい先日。
時々、「今頃あの子はどこを走ってるかね…?」と夫としみじみしています。
稚内の潮風と、北海道の融雪剤でボロボロになってしまったあの子ですが、それでも買ってくださる方がいらしてよかったな〜と思っています。
真っ赤なWISHは、稚内では目立っていてね。
「赤い車なんて乗って、恥ずかしくないの?!」と言われ、「えー…」と思ったのを覚えています。
でも当時、あの町には3台の赤WISHが存在していたことを私は知っているのよ。
ふふふ…
北国の、特に稚内の冬は1年の半分が無彩色になる世界。
無彩色とはつまり、「白黒グレーだけで、彩(いろどり)がない」ということです。
車くらい、派手にしてテンションを上げたかった当時の私たち。
Winter Blueというのは本当にあって、「色がないって、人間にとってシンドイ」ということを身をもって体験した日々でした。
その後カラーの専門家になって、改めて、人間にとっての色の影響力や重要性を学び、痛感します。
自分の人生を彩り豊かに。
太陽の白色光のように、すべての色彩が揃ってこそ、人は心も体も健康でいられると。
稚内の生活がなかったら、今の私はなかっただろうと思います。
稚内の冬は、昼の1時を過ぎると「もう夕方か…」という空になります。
逆に夏は、朝3時から夜8時くらいまで明るいの。
北欧の白夜を体験したことはないけれど、「そういうことかー…」と、自分の体験とつながったのもあの頃でした。
新たに我家に来た子は、義父が乗っていた車。
16歳ですが、走行距離はごくわずか。
さらに半年ごとの定期点検もきちんと行われていた子なので、まるで新車のようにキビキビ動いてどきどきします。
一見グレーかと思いきや、うっすらパールグリーンできれい。
お父様、16年前にいい色選んでくださったなー。
「今回のナンバーも、またアレにしたの?」と新車当時からWISHを知る友人。
「したした!!」
私たち夫婦が、結婚記念日以上に大事にしている、つきあった記念日です。
もう27年かー…