親しき仲にも礼儀あり【ブルー:言葉にして伝える】
人間関係のトラブルは、自分と相手が見ている世界が違うとに気づいていないことに由来します。
生まれも育ちも違うこと。
価値観が異なること。
頭では理解しているつもりでも、ついつい抜けてしまうのです。
「言えば伝わる」わけではありません。
「言えばわかってもらえる」わけでもありません。
ましてや「言えば相手が変わる」わけでもないのです。
言えば伝わると思ってしまうのは、
相手が自分と同じ価値観であると思い込んでいるからです。
「一度言えば相手も自分と同じように考えるものだ」という願望も人は持っています。
これはいろいろな人間関係において起こることですが、特に夫婦間や親子間など、近い間柄で起こりがちなトラブルです。
なぜ家族間で起こりやすいのかというと、「言わなくてもわかってくれる」「察してもらえる」という無意識の甘えに端を発しているからです。
これを心理学用語で母子一体感といいます。
「言ったのにわかってくれない」
「何度も同じことを言っているのに改善されない」
それが不満となってしまうわけですが、伝わらないのには理由があります。
その原因は相手にばかりあるわけではなく、自分の伝え方にあるかもしれません。
責めるような言い方をしていないか。
相手に寄り添う話し方をしているか。
必要な報連相はしてきたか。
自分の素直な気持ちを話しているか。
一番近くにいる他人が夫婦です。
同じ価値観の中にいるようで、まったく別人格の別人生なのだと教えてくれるのが親子です。
もし「あまり親しくないけど好きも嫌いもない他人」に同じことを言うならどう伝えるのか。
その工夫ができると、家族間のコミュニケーションは段違いに良くなったりするものです。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉が教えてくれているように。
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