Color Column

色の専門スクール&サロン 彩音 伊藤裕子【神奈川県川崎市】

脳は都合よくキレイ色調整する

こういう色を「甘そう」と感じたり

こういう色を「辛そう」と感じたり

トウモロコシは黄色いものだと思っていたり

イチゴは赤いものだと思っていたり

私たちは、身の回りのものと特定の色を強く結びつけて記憶しています。

だからもし、甘い飴だと思って舐めたものが苦かったら吐き出したくなるし、スパイスを舐めて甘かったら違和感を感じます。
トウモロコシが真っ赤だったりイチゴが真っ青だったりしても、異質に感じて食べようという気になりません。

実在するものと色を関連づけてイメージすることが多い私たち。
しかしおもしろいことに、私たちはその色を正確に記憶しているわけではないのです。

たとえば肌の色なら、実物よりも色白に(明度は高く、彩度は低く)記憶しています。
だから自分の肌の色を絵の具で再現しようとすると、実際よりも色白に作ってしまいがち。

これをうまく活用して、美肌に見せているのが、ビューティーアプリ。
「写真で見ると若くて美肌のキレイな方だと思ったんだけど、実際は…」という、アレです。

だからある意味、ビューティーアプリで撮った写真を見た人が「実物の方がいいですね!」なんて言ってくださったら、それは最高の褒め言葉かもしれません。

この記事内容に、自分の写真を載せるのは勇気がいります(笑)

桜の色もそう。

「桜はピンク」と私たちは思っていますが、実際に写真を撮って見てみると「あれ?思ったより白っぽい」と感じたことはありませんか?
けれど桜の名所を写したパンフレットやポスターの写真はピンクです。

それは私たちが脳内で、「桜=ピンク」という補正をしているため、それに合わせて加工しているから。
本当の色をそのまま載せると逆に違和感になってしまうのです。

加工していない桜色

加工した桜色

このように、イメージとして記憶されている色を「記憶色」といいます。
肌の色は実物よりも色白に(高明度で低彩度に)、それ以外の記憶色は、実際よりも色みが強く(高彩度に)イメージされている。
空の青、木々の緑も代表的な記憶色。

脳って結構、都合がよくいい加減。

でもこれが、私たちの人生を豊かにしていく秘密の鍵でもあると思うのです。

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