Color Column

色の専門スクール&サロン 彩音 伊藤裕子【神奈川県川崎市】

体と感覚でつかんだものはなくならない

スタートして初めて気づくことがあります。
実践したからこそ、見えてくるものがあります。
それはカラーセラピーも同じです。

たとえば
カラーセラピスト養成講座、初めてのセッション練習のとき。
それまでわかった気がしていたものを「使う」段階になると戸惑いが生まれます。

 どう言葉を発したらいいのかがわからない。
 クライアント役の人の話を聞く余裕がない。
 次に何を言うかでいっぱいいっぱい。
 話をどう膨らませていったらいいのかわからない。

セッション練習前に学んだことは「知識」です。
自分の感覚に落とし込めているわけではありません。

セッション練習は、自転車で例えるなら、初めて補助輪なしの自転車に乗ったときと同じ。
はじめて実践するのだから、「思うようにできない」のは当たり前です。

たとえば何年も自転車に乗っていなかったとします。
その時、感覚が戻るまでちょっと危なっかしいということはあっても、乗れなくなってしまうことはほとんどありません。

私たちが体で、感覚で、掴んだものは、なくなることがないからです。

その感覚を掴めるようになるまで、私たちはまず“グラグラ期”を体験します。

練習→失敗→練習→失敗→練習→失敗→練習→…ん?→練習→失敗→練習→失敗→練習→ちょっとできた→練習→失敗→練習→ちょっとできた→練習→失敗→練習→お…!→練習→…
ひたすら、この繰り返しです。
何度も何度も繰り返して、バランス感覚を培うのです。

最初はなかなかうまくいかない。
でも乗りたい。
だから練習する。
転ぶ。
もう嫌だ!
でもできるようになりたい。
だからやる。
ああ、うまくいかない…

そんなことを繰り返している時期が、実は一番、バランス感覚を養っているとき。
だからこの時期なくして、その感覚を掴むことはできないのです。

そしてその“グラグラ期”を経て、“アップダウン期”に突入します。

ちょっと成功する。
ちょっと楽しくなる。
 ↓
調子にのって失敗する。
うまくいった時と何が違うか考える。
 ↓
やってみる。
失敗する。
 ↓
またやってみる。
今度は成功する。

そしてある時、スーッと乗れるようになるのです。

感覚を掴んでしまえば、もうそれは自分のもの。
体の中で掴んだものは、決してなくなることはありません。

だからたとえ数年間自転車に乗らなかったとしても、私たちは自転車に乗ることができるのです。

これは、どんなことにも当てはまります。

カラーセラピーのセッション練習は、初めて補助輪なしの自転車に乗ったときと同じ。
だから「できない」「難しい」「才能がない」なんて思う必要はまったくない。

“グラグラ期”を経て“アップダウン期”を超えた人だけが掴む感覚は、どんな世界にも存在します。
自分を裏切らずに進んだ人だけが掴める世界です。

そんな感覚でカラーセラピーと向き合えば、ある日突然、あなたのセッションが変わるでしょう。

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